アメリカンコーヒーとは?
アメリカンコーヒーとは、浅めの焙煎度のコーヒーを多めのお湯で抽出したコーヒーです。「薄いコーヒー」と一般的に理解されていますが、あながち間違いではありません。1つ強調しておくとすれば、深煎りではなく「浅煎り・中煎り」のコーヒー豆を使っているということでしょう。
アメリカーノとの違い
アメリカンコーヒーとアメリカーノの違いは、抽出方法にあります。一般的に、アメリカンコーヒーはドリップ抽出、アメリカーノはエスプレッソ抽出です。アメリカーノの場合、抽出したエスプレッソに後からお湯を加えて薄めます。似たようなアレンジメニューにロングブラックがありますが、ロングブラックではお湯→エスプレッソの順番で注ぎます。
アメリカンコーヒーは英語で「weak coffee」
アメリカンコーヒーは、英語で「weak coffee」といわれます。アメリカやイギリスで、「アメリカンコーヒーをください」と言っても通じません。なぜなら、アメリカンコーヒーは和製英語だからです。アメリカンコーヒーが薄味コーヒーだったため、日本では「weak coffee=アメリカンコーヒー」が広まりました。
アメリカンコーヒーの由来
アメリカンコーヒーの由来として、「当時アメリカで飲まれていたコーヒーが薄かったから」という説があります。当時、アメリカの焙煎技術がそれほど発達していなかったため、しっかり焙煎することができず、浅めの焙煎度のコーヒーが飲まれていたそうです。これを日本で真似て作ったのがアメリカンコーヒーだとされています。これは、あくまで諸説ある中の1つの節です。参考にしていただければ幸いです。
アメリカンコーヒーの作り方。お湯で薄めるのがおいしい理由
アメリカンコーヒーは、本来お湯で薄めて作るものではないとされています。しかし、お湯で薄める作り方の方が、失敗なくおいしいアメリカンコーヒーができます。ここでは、その理由と作り方の手順を具体的に紹介していきます。
中煎り豆を粗挽きで
中煎りのコーヒー豆を粗挽きで挽いたものを用意します。粗挽きとは、ザラメくらいの大きさのコーヒー粉を指します。いつもより粗めに挽けば問題ないでしょう。
濃い目に抽出する
普段ドリップコーヒーを作るときの半分ほどのお湯で、濃い目にコーヒーを抽出します。細湯でじっくり時間をかけて注ぐと、濃い目のコーヒーが淹れられるでしょう。
お湯で濃さを調節する
最後に、お湯を注いでコーヒーの濃さを調整します。だいたいコーヒー液の2倍〜3倍くらいを目安にすると、カフェや喫茶店のアメリカンコーヒーに近づくでしょう。
なぜお湯で割った方がおいしくできるのかというと、多めのお湯でコーヒーを抽出すると雑味が出やすくなってしまうからです。コーヒーのおいしい成分を抽出し切ると、その後は雑味やエグ味といった嫌な味わいが出てきてしまいます。
お湯で割る方法は、最初の良いところだけを抽出して、その味わいを薄めるやり方です。旨味がありながらも、あっさりした仕上がりのアメリカンコーヒーになります。
まとめ: お家でもアメリカンコーヒーを作ってみよう
今回は、アメリカンコーヒーとは何かから、アメリカンコーヒーの作り方まで紹介しました。
本記事の要点は、以下のとおりです。
● アメリカンコーヒーとは、浅めの焙煎度のコーヒーを薄めに抽出したコーヒー
● アメリカーノとは、エスプレッソ抽出したコーヒーをお湯で割ったアレンジ
● 濃い目に抽出したコーヒーをお湯で割ると、おいしいアメリカンコーヒーになる
この記事を参考にして、アメリカンコーヒーへの理解を深めた上で、お家でカフェのようなアメリカンコーヒーを再現してみてくださいね。
今野直倫
放浪のバリスタ兼WEBライター。
JSFCAコーヒーソムリエ・食品衛生責任者・飲食営業許可取得。
全国各地でカフェを開催。
自家焙煎のコーヒーを焼きたて、挽きたて、淹れたてにこだわって、
お客さんの目の前で一杯一杯ハンドドリップ抽出。
コーヒーの知見を活かしてWEBライターとしても活動中。
自家焙煎やお家カフェの楽しみ方や、役に立つコーヒーの知識をお届けします。